縁切り・タスペーサーについてお伝えします
2025.04.19 (Sat) 更新
劣化対策:縁切り・タスペーサーについて
外壁塗装と並び、住宅の美観と保護に不可欠な屋根塗装工事。
その工程の中で、見過ごされがちながらも非常に重要な役割を果たすのが「縁切り」と、その代替として近年注目されている「タスペーサー」の設置です。
これらの処理を適切におこなうか否かで、屋根材の耐久性や住宅全体の寿命が大きく左右されると言っても過言ではありません。
そこで、今回は塗装工事における縁切り・タスペーサーの必要性や特徴、施工時の注意点について説明していきます。
Contents
なぜ縁切り・タスペーサーが必要なのか?
屋根塗装の主な目的は、屋根材を紫外線や雨水などの過酷な自然環境から保護し、その寿命を延ばすことです。
しかし、塗料を塗布することで、屋根材の重なり部分が塗膜によって塞がれてしまうという問題が生じます。
この塞がれた部分に雨水が浸入すると、次のような深刻な事態を引き起こす可能性があります。
雨漏りの発生
浸入した雨水が排出されずに滞留し、屋根内部や下地材を腐食させ、最終的に雨漏りの原因となります。
屋根材の腐食
常に湿った状態が続くことで、屋根材自体が劣化しやすくなります。
特に金属屋根の場合は錆が発生し、強度が低下する恐れがあります。
塗膜の剥がれ・膨れ
内部に水分が閉じ込められることで、塗膜が下地との密着性を失い、剥がれたり膨れたりする原因となります。
建材の寿命低下
屋根材だけでなく、下地材や断熱材などの建材も水分によって劣化し、住宅全体の寿命を縮める可能性があります。
これらの問題を未然に防ぎ、屋根の健全な状態を維持するために行われるのが「縁切り」という作業、または「タスペーサー」の設置なのです。
縁切りとは?その工程と注意点
縁切りとは、屋根塗装後に、塗膜によって塞がってしまった屋根材の重なり部分に意図的に隙間を作る作業のことです。
具体的には、カッターナイフやヘラなどの工具を用いて、一枚一枚の屋根材の接合部分に切り込みを入れ、水の通り道を作ります。
縁切りの工程
屋根塗装の完了
まず、屋根全体の塗装工事を完了させます。
塗膜の確認
塗膜が完全に乾燥していることを確認します。
乾燥が不十分な状態で縁切りをおこなうと、塗膜を傷つけてしまう可能性があります。
縁切り作業
屋根材の種類や形状に合わせて、適切な工具(カッターナイフ、ヘラなど)を使用し、屋根材の重なり部分に数ミリ程度の隙間を作ります。
この作業は、屋根全体にわたって、一枚一枚丁寧に行う必要があります。
清掃
縁切り作業で発生した塗膜の剥がれカスなどを丁寧に清掃します。
縁切りの注意点
塗膜の乾燥
前述の通り、塗膜が完全に乾燥する前に縁切りをおこなうと、塗膜を傷つけ、本来の防水性能を損なう可能性があります。
適切な工具の選定
屋根材の種類や塗膜の硬さに合わせて、適切な工具を選ぶ必要があります。
無理な力を加えると、屋根材を破損させる恐れがあります。
均一な隙間の確保
隙間の幅や深さが不均一だと、十分な排水効果が得られない場合があります。
屋根全体にわたって、均一な隙間を確保することが重要です。
屋根材の破損防止
古くて脆くなっている屋根材の場合、縁切り作業によって破損させてしまう可能性があります。
慎重に作業をおこなう必要があります。
作業者の技術力
縁切りは、熟練した技術と知識を要する作業です。
経験の浅い作業者がおこなうと、不十分な仕上がりになったり、屋根材を傷つけたりするリスクがあります。
信頼できる会社に依頼することが重要です。
安全対策
高所での作業となるため、足場の設置や安全帯の着用など、十分な安全対策を講じる必要があります。
タスペーサーとは?その特徴と注意点
タスペーサーは、屋根塗装の際に屋根材の重なり部分に設置する、板状の部材です。
塗装前にタスペーサーを差し込むことで、塗装後も自動的に屋根材の間に適切な隙間を確保することができます。
縁切りの代替として、近年多くの現場で採用されています。
タスペーサーの特徴
均一な隙間の確保
縁切りのように手作業によるばらつきがなく、屋根全体にわたって均一な隙間を確保できます。
これにより、安定した排水効果が期待できます。
塗膜の保護
塗装前に設置するため、乾燥後の塗膜を傷つける心配がありません。
作業効率の向上
縁切り作業が不要になるため、工期の短縮や人件費の削減につながる場合があります。
屋根材への負担軽減
縁切りのように物理的に切り込みを入れるわけではないため、屋根材への負担を軽減できます。
長期的な効果
一度設置すれば、その効果が長期間持続します。
タスペーサーの注意点
初期コスト
タスペーサー本体の費用と設置費用が別途発生するため、縁切りに比べて初期コストが高くなる場合があります。
屋根材との適合性
全ての屋根材に適合するわけではありません。
屋根材の種類や形状によっては、タスペーサーが使用できない場合があります。事前に施工会社に確認が必要です。
適切な製品の選定
タスペーサーには様々な種類があります。
屋根材や塗料の種類、地域の気候条件などを考慮して、適切な製品を選ぶ必要があります。
正確な設置
タスペーサーの効果を最大限に引き出すためには、適切な位置に、正しい向きで設置する必要があります。
設置が不適切だと、十分な隙間が確保できなかったり、逆に屋根材を浮き上がらせてしまう可能性があります。
既存の不具合の確認
タスペーサーを設置する前に、屋根材の割れや浮き、下地の腐食などの不具合がないか確認する必要があります。
不具合がある場合は、事前に補修が必要です。
雪害のリスク
地域によっては、タスペーサーによってできた隙間に雪が詰まり、雨漏りの原因となる可能性が指摘されています。
積雪が多い地域では、タスペーサーの選定や設置方法について、より慎重な検討が必要です。
縁切りとタスペーサー、どちらを選ぶべきか?
縁切りとタスペーサーには、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらを選ぶべきかは、屋根材の種類、形状、既存の状態、予算、そして施工会社の技術力などを総合的に考慮して判断する必要があります。
一般的に、次のような傾向があります。
縁切りが適している場合
比較的安価に済ませたい場合
屋根材の形状が複雑で、タスペーサーの設置が難しい場合
信頼できる技術力のある施工会社に依頼できる場合
タスペーサーが適している場合
より確実に均一な隙間を確保したい場合
塗膜を傷つけるリスクを避けたい場合
作業効率を重視する場合
屋根材と適合する適切なタスペーサーが見つかる場合
最終的には、複数の会社から見積もりを取り、それぞれの提案内容や説明を比較検討することが重要です。
その際には、縁切りまたはタスペーサーのどちらを採用するのか、その理由や注意点についても詳しく確認するようにしましょう。
まとめ
塗装工事における縁切りとタスペーサーは、屋根の健康状態を維持し、住宅全体の寿命を延ばすために非常に重要な役割を果たします。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の住宅の状態や予算、そして施工業者の提案などを総合的に考慮して、適切な方法を選択することが大切です。
安易に費用だけで判断するのではなく、長期的な視点で、確実な施工をおこなってくれる信頼できる施工会社を選ぶことが、
後悔のない屋根塗装工事を実現するための最も重要なポイントと言えるでしょう。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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