ベランダ・屋上のFRP防水工事についてお伝えします
2025.04.21 (Mon) 更新
防水工事:ベランダ・屋上のFRP防水工事について
日本の住宅において、雨漏りは深刻な問題を引き起こす可能性があります。
特に、常に雨風や紫外線に晒されるベランダや屋上は、防水対策が非常に重要です。
数ある防水工事の中でも、近年注目を集めているのが「FRP防水」です。
そこで、今回はベランダ・屋上のFRP防水工事について説明していきます。
Contents
FRP防水とは?その特徴とメカニズム
FRP防水は、ガラス繊維などの強化材とポリエステルやエポキシなどの合成樹脂を複合させた素材を用いた防水工法です。
この複合素材は、軽量でありながら非常に高い強度と耐久性を持ち合わせており、航空機や船舶、自動車など、様々な分野で活用されています。
ベランダや屋上の防水工事においては、液状のFRP樹脂を複数回塗布し、その間にガラスマットなどの補強材を挟み込むことで、
一体化した強靭な防水層を形成します。
この防水層は、継ぎ目のないシームレスな仕上がりとなるため、水の浸入リスクを大幅に低減できるのが大きな特徴です。
【FRP防水の主な特徴】
高強度・高耐久性
ガラス繊維による補強効果で、非常に高い強度と耐摩耗性を誇ります。
これにより、長期間にわたって防水性能を維持することが可能です。
軽量性
他の防水工法と比較して軽量であるため、建物への負担が少なく、既存のベランダや屋上への施工も比較的容易です。
速硬性
硬化時間が短いため、比較的短い工期で工事を完了させることができます。
これにより、工事期間中の生活への影響を最小限に抑えられます。
シームレスな防水層
継ぎ目のない一体化した防水層を形成するため、水の浸入経路となる隙間ができにくく、高い防水性を実現します。
耐候性・耐薬品性
紫外線や酸性雨に対しても優れた抵抗力を持ち、過酷な環境下でも性能を維持します。
デザイン性
トップコートの色や仕上げを選ぶことができるため、建物の外観に合わせたデザインが可能です。
FRP防水のメリットとデメリット
FRP防水は多くの優れた特性を持つ一方で、いくつかの注意点も存在します。
ここでは、FRP防水のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
【メリット】
長期的な防水性能
高い強度と耐久性により、一度施工すれば10年以上の長期にわたって防水効果が期待できます。
メンテナンスサイクルを長くできるため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
優れた耐摩耗性
人が歩行する頻度の高いベランダや屋上でも、摩耗に強く、防水層が傷つきにくいというメリットがあります。
工期の短縮
速硬性であるため、他の防水工法と比較して工期が短く済みます。
これにより、工事期間中のストレスを軽減できます。
意匠性の向上
トップコートの色や仕上げを自由に選べるため、ベランダや屋上の美観を向上させることができます。
既存下地への適合性
様々な下地に対応できるため、既存の防水層を撤去せずに重ねて施工できる場合があります。
これにより、工事費用を抑えることができる可能性があります。
【デメリット】
初期費用が高い傾向
他の防水工法と比較して、材料費や施工費がやや高くなる傾向があります。
ただし、長期的な耐久性を考慮すると、ライフサイクルコストでは有利になる場合もあります。
臭いが強い場合がある
使用する樹脂によっては、施工中に特有の臭いが発生する場合があります。
近隣への配慮が必要となる場合もあります。
ひび割れのリスク
強度が高い反面、建物の動きや温度変化によってひび割れが発生するリスクがゼロではありません。
ただし、適切な下地処理や補強をおこなう事で、リスクを低減できます。
専門的な技術が必要
高品質なFRP防水を実現するためには、専門的な知識と技術を持った施工会社による施工が不可欠です。
DIYでの施工は難易度が高く、失敗のリスクがあります。
トップコートの定期的なメンテナンス
防水層自体は耐久性が高いですが、表面のトップコートは紫外線などによって劣化するため、定期的な塗り替えが必要です(目安:5~10年)。
FRP防水工事の流れ:工程を理解して安心施工
FRP防水工事は、いくつかの段階を経ておこなわれます。
各工程を理解しておくことで、工事の進捗状況を把握しやすくなり、施工会社とのコミュニケーションも円滑に進めることができます。
現地調査・診断
専門会社がベランダや屋上の状況を詳しく調査し、下地の状態、既存の防水層の有無、雨漏りの状況などを確認します。
この調査に基づいて、最適な施工方法や必要な工事費用を見積もります。
下地処理
防水層の密着性を高めるために、下地の清掃、ゴミやホコリの除去、油分の除去などをおこないます。
ひび割れや剥がれがある場合は、補修作業もおこないます。この工程は、防水工事の仕上がりを左右する非常に重要な工程です。
プライマー塗布
下地とFRP防水層との密着性を向上させるためのプライマー(下塗り材)を塗布します。
プライマーの種類は、下地の材質や状態によって適切なものが選ばれます。
ガラスマット敷設
ガラス繊維でできたマット状の補強材を、プライマーが乾燥した下地に敷き詰めます。
このガラスマットが、FRP防水層の強度を高める役割を果たします。
形状に合わせてカットしたり、重ね合わせたりするなどの丁寧な作業が求められます。
FRP樹脂塗布(1層目)
ガラスマットの上から、液状のFRP樹脂を丁寧に塗布します。
樹脂がガラスマットにしっかりと含浸するように、ローラーなどを用いて均一に塗り広げます。
脱泡処理
樹脂の中に気泡が残っていると、防水層の強度低下につながるため、脱泡ローラーなどを用いて気泡を取り除く作業を行います。
FRP樹脂塗布(2層目以降)
必要に応じて、さらにFRP樹脂を重ね塗りします。
これにより、防水層の厚みを確保し、耐久性を向上させます。各層の間に適切な乾燥時間を設けることが重要です。
トップコート塗布
紫外線や雨水から防水層を保護し、美観を向上させるためのトップコートを塗布します。
トップコートは、耐候性や耐摩耗性に優れたものが選ばれ、色や仕上がりも選択できます。
養生
トップコートが完全に硬化するまで、一定期間養生をおこないます。この期間中は、ベランダや屋上への立ち入りを制限する必要があります。
最終検査・清掃
施工完了後、防水層に不具合がないか、仕上がりはどうかなどを専門会社が検査します。
その後、工事で出たゴミなどを清掃し、引き渡しとなります。
FRP防水工事の費用相場:見積もりを比較検討する重要性
FRP防水工事の費用は、ベランダや屋上の面積、下地の状態、使用する材料、施工会社などによって大きく変動します。
一般的な目安としては、1平方メートルあたり5,000円~12,000円程度が相場と言われています。
【費用を左右する主な要因】
施工面積
面積が広くなるほど、材料費と人件費が増加するため、総費用は高くなります。
ただし、単位面積あたりの費用は割安になる傾向があります。
下地の状態
下地の劣化が激しい場合や、既存の防水層の撤去が必要な場合は、別途費用が発生します。
使用する材料
FRP樹脂やトップコートの種類、ガラスマットの厚みなどによって、材料費が変動します。
高品質な材料を使用するほど、費用は高くなりますが、耐久性も向上します。
施工業者の技術力と実績
経験豊富な業者に依頼する方が、高品質な施工が期待できますが、費用もやや高くなる傾向があります。
付帯工事の有無
ドレン(排水口)の改修や、手すりの補修など、付帯工事が必要な場合は、別途費用が発生します。
足場の設置
屋上の防水工事など、高所作業が必要な場合は、足場の設置費用が加算されます。
適切な業者選びと見積もり比較の重要性
FRP防水工事は、専門的な知識と技術が必要な工事です。
複数の会社から見積もりを取り、費用だけでなく、施工方法、使用する材料、保証内容などを比較検討することが非常に重要です。
安すぎる見積もりには注意が必要で、手抜き工事や低品質な材料の使用につながる可能性があります。
信頼できる会社を選び、納得のいく価格で高品質な工事を実現しましょう。
FRP防水工事における重要な注意点:失敗を防ぐために
FRP防水工事を成功させるためには、いくつかの重要な注意点を押さえておく必要があります。
信頼できる会社選び
実績が豊富で、FRP防水に関する専門知識と技術を持った会社を選びましょう。
見積もり時に、施工方法や使用する材料について詳しく説明を受け、疑問点はしっかりと質問することが大切です。
アフターフォローや保証制度についても確認しておきましょう。
詳細な見積もり書の確認
見積もり書には、工事内容、使用する材料、数量、単価、諸経費などが詳細に記載されているか確認しましょう。
不明な点があれば、必ず会社に確認し、納得のいくまで説明を受けるようにしましょう。
工事中の確認
可能であれば、工事の進捗状況を定期的に確認しましょう。
特に、下地処理やプライマー塗布など、重要な工程は写真などで記録しておくと、後々のトラブル防止につながります。
臭い対策
FRP樹脂によっては、施工中に強い臭いが発生する場合があります。
事前に施工会社に確認し、近隣住民への配慮についても相談しておきましょう。換気をしっかりおこなう事も重要です。
トップコートの定期的なメンテナンス
FRP防水層自体は耐久性が高いですが、表面のトップコートは定期的な塗り替えが必要です。
会社にメンテナンスの目安時期や方法について確認しておきましょう。
保証内容の確認
工事後の保証期間や保証内容について、しっかりと確認しておきましょう。
万が一、施工不良による雨漏りが発生した場合の対応についても明確にしておくことが重要です。
天候に注意
雨天時や高湿度の環境下では、FRP樹脂の硬化不良や密着不良が起こる可能性があります。
工事期間中は、天候にも注意が必要です。
既存防水層との相性
既存の防水層の上にFRP防水を重ねる場合は、既存の防水層との相性を確認する必要があります。
相性が悪いと、剥がれなどの不具合が生じる可能性があります。
まとめ:FRP防水で安心・快適な住まいを
FRP防水は、その高い強度、耐久性、そしてシームレスな防水性により、ベランダや屋上の防水対策として非常に有効な工法です。
初期費用はやや高めになる傾向がありますが、長期的な視点で見ると、メンテナンスサイクルを長くできるため、コストパフォーマンスに優れています。
本稿で解説したメリット・デメリット、工事の流れ、費用相場、そして注意点をしっかりと理解し、信頼できる専門会社を選ぶことで、
高品質なFRP防水工事を実現し、安心で快適な住まいを長持ちさせることができるでしょう。
工事を検討する際には、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することを忘れずにおこなってください。
そして、疑問や不安な点は遠慮せずに施工会社に質問し、納得のいくまで話し合うことが、工事成功の鍵となります。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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