シーリング工事の解説と注意点についてお伝えします
2025.04.25 (Fri) 更新
シーリング:シーリング工事の解説と注意点について
建物の美観を向上させ、保護機能を高める塗装工事。
その工程の中で、ひび割れや隙間を埋める「シーリング工事」は、建物の寿命を大きく左右する極めて重要な役割を担っています。
一見地味に思われがちですが、シーリングの品質が低いと、塗装の剥がれや雨漏りの原因となり、建物の価値を著しく損なう可能性があります。
そこで、今回はシーリング工事の重要性について説明していきます。
Contents
なぜシーリング工事は塗装工事に不可欠なのか?
塗装工事は、単に外壁や屋根を美しく塗り替えるだけでなく、紫外線や雨水などの外部環境から建物を保護する役割を担っています。
しかし、建物の構造体には、部材同士の接合部やサッシ周り、外壁材の継ぎ目など、動きが生じやすい箇所が存在します。
これらの箇所に隙間があると、雨水が浸入し、建物の内部構造を腐食させたり、断熱材を劣化させたりする原因となります。
シーリング工事は、これらの隙間を弾力性のあるシーリング材で埋めることで、水の浸入を防ぎ、建物の防水性を高めます。
また、地震や温度変化による建物の動きを吸収し、部材の破損を防ぐ緩衝材としての役割も果たします。
塗装工事をおこなう前に適切なシーリング工事をおこなう事で、次のような効果が期待できます。
防水性の向上
雨水の浸入を防ぎ、建物の寿命を延ばします。
気密性の向上
隙間からの空気の出入りを抑制し、断熱効果を高め、省エネルギーに貢献します。
美観の維持
隙間への汚れの付着を防ぎ、塗装面の美しさを長持ちさせます。
構造体の保護
内部への水の浸入を防ぎ、木材の腐食や鉄部の錆びを防ぎます。
塗膜の保護
下地の動きによる塗膜のひび割れを防ぎます。
このように、シーリング工事は塗装工事の仕上がりだけでなく、建物の長期的な維持管理において非常に重要な役割を果たしているのです。
シーリング材の種類と選び方
シーリング材には、様々な種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。
適切なシーリング材を選ぶことは、シーリング工事の品質を左右する重要な要素です。
代表的なシーリング材の種類と特徴を解説します。
シリコーン系シーリング材
耐候性、耐熱性、耐寒性に優れており、紫外線にも強いため、外装の目地やサッシ周りなど、幅広い用途に使用されます。
ただし、塗料との相性が悪い場合があり、上塗りの際に剥がれが生じることがあります。
ノンブリードタイプのシリコーン系シーリング材を選ぶか、プライマーを適切に塗布する必要があります。
ポリウレタン系シーリング材
弾力性、接着性に優れており、動きの大きい箇所や振動が多い箇所に適しています。
塗装との相性も比較的良好ですが、耐候性はシリコーン系に劣るため、露出する箇所への使用には注意が必要です。
アクリル系シーリング材
耐候性は比較的低いものの、価格が安く、水性塗料との相性が良いのが特徴です。
主に内装や、雨水が直接かからない箇所に使用されます。
変成シリコーン系シーリング材
シリコーン系の耐候性と、ポリウレタン系の柔軟性、そして塗料との良好な相性を兼ね備えたシーリング材です。
近年、外装のシーリング材として広く採用されています。
ポリサルファイド系シーリング材
耐薬品性、耐油性に優れており、主に工場や下水処理場など、特殊な環境下で使用されます。
シーリング材を選ぶ際には、次の点を考慮する必要があります。
施工箇所の材質
外壁材、サッシの材質などを考慮し、適切な接着性を持つシーリング材を選びます。
施工箇所の動き
建物の動きが大きい箇所には、高い追従性を持つシーリング材を選びます。
上塗り塗料との相性
塗装工事をおこなう場合は、上塗り塗料との適合性を確認し、剥がれなどの不具合を防ぎます。
耐久性
長期的な視点から、適切な耐久性を持つシーリング材を選びます。
専門会社に相談し、建物の状況や使用箇所に適したシーリング材を選定してもらうことが重要です。
高品質なシーリング工事を実現するための秘訣
高品質なシーリング工事を実現するためには、次の点が重要となります。
信頼できる業者の選定
実績と経験が豊富で、シーリング工事に関する専門知識を持つ会社を選びましょう。
複数の会社から見積もりを取り、施工方法や使用する材料について詳しく説明を受けることが大切です。
丁寧な打ち合わせ
施工前に、建物の状況や要望をしっかりと伝え、会社と綿密な打ち合わせをおこないましょう。
使用するシーリング材の種類や色、施工方法などを事前に確認しておくことで、認識のずれを防ぎ、満足のいく仕上がりにつながります。
施工中の確認
可能な範囲で、施工の様子を確認させてもらいましょう。
下地処理やプライマーの塗布状況、シーリング材の充填状況などを確認することで、手抜き工事を防ぐことができます。
定期的なメンテナンス
シーリング材も経年劣化するため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
早期に劣化を発見し、適切な補修をおこなう事で、建物の寿命を延ばすことができます。
シーリング工事における注意点と失敗例
シーリング工事は、適切な知識と技術を持っておこなわないと、様々な問題が発生する可能性があります。
ここでは、シーリング工事における注意点と、よくある失敗例を解説します。
【注意点】
下地処理の徹底
既存シーリング材の撤去、清掃、プライマーの塗布は、シーリング材の接着性を確保するために非常に重要です。
これらの工程を怠ると、早期の剥がれやひび割れの原因となります。
適切なシーリング材の選定
施工箇所や周辺環境、上塗り塗料との相性を考慮し、適切なシーリング材を選定する必要があります。
誤ったシーリング材を選ぶと、性能を発揮できなかったり、早期に劣化したりする可能性があります。
均一な充填と均し
シーリング材を充填する際には、空気が入らないように奥までしっかりと充填し、表面を滑らかに均すことが重要です。
充填不足や均し不良は、水の浸入や美観の低下につながります。
適切な養生
シーリング材が完全に硬化するまでは、雨水や汚れの付着を防ぐために適切な養生をおこなう必要があります。
養生不足は、シーリング材の性能低下や汚染の原因となります。
作業時の温度・湿度管理
シーリング材の施工には、適切な温度・湿度条件があります。
極端な高温や低温、高湿度の環境下での作業は、シーリング材の硬化不良や性能低下を引き起こす可能性があります。
周辺への配慮
シーリング材の飛散や汚れを防ぐために、マスキングテープなどで周辺を保護する必要があります。
【よくある失敗例】
早期の剥がれ
下地処理の不備や、不適切なプライマーの使用、シーリング材の選定ミスなどが原因で発生します。
ひび割れ
建物の動きに対する追従性が低いシーリング材の使用や、充填量の不足、均し不良などが原因で発生します。
ブリード現象
シーリング材に含まれる可塑剤が表面に染み出し、周辺を汚染する現象です。
ノンブリードタイプのシーリング材を使用するか、適切なプライマーを塗布することで防止できます。
肉やせ
シーリング材の収縮により、体積が減少し、目地が凹んでしまう現象です。
適切なバックアップ材の使用や、適切な充填量で施工することで軽減できます。
硬化不良
作業時の温度・湿度条件が不適切だったり、シーリング材の保管状態が悪かったりすると、硬化不良が発生することがあります。
これらの注意点を理解し、適切な施工をおこなう事が、シーリング工事の成功には不可欠です。
まとめ:シーリング工事は建物を守る要
シーリング工事は、建物の防水性、気密性を高め、美観を維持するために不可欠な工事です。
適切なシーリング材を選び、丁寧な下地処理と確実な充填、そして適切な養生をおこなう事で、建物を長期間にわたり保護することができます。
塗装工事を検討されている方は、シーリング工事の重要性を十分に理解し、信頼できる専門会社に依頼することが、建物の価値を守るための賢明な選択と言えるでしょう。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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