ALC塗装のすべてについてお伝えします
2025.05.02 (Fri) 更新
外壁材:ALC塗装のすべてについて
ALCは、その独特な構造と優れた性能から、戸建て住宅、マンション、商業施設など、様々な建築物に広く採用されている建材です。
軽量でありながら高い強度、断熱性、耐火性、遮音性を持ち合わせているため、快適で安全な住環境を実現する上で重要な役割を果たしています。
しかし、ALCも他の建材と同様に、長期間の使用や自然環境の影響を受けることで劣化が進みます。
特に表面の塗装は、ALCの美観を維持するだけでなく、防水性を高め、内部への水の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
塗装が劣化すると、ひび割れ、剥がれ、変色などが起こり、最悪の場合、ALC内部の構造的な損傷につながる可能性もあります。
そこで、今回はALC塗装について説明していきます。
Contents
ALC(軽量気泡コンクリート)とは?その特徴とメリット
ALCは、セメント、珪石、石灰、アルミニウム粉末などを主原料とし、高温高圧蒸気養生(オートクレーブ養生)によって製造される多孔質な建材です。
内部に無数の微細な気泡を持つことが最大の特徴で、これにより様々な優れた性能を発揮します。
【軽量性】
ALCの比重は、一般的なコンクリートの約1/4と非常に軽量です。
この軽量性により、建物の構造への負担を軽減し、基礎工事費の削減や工期の短縮につながります。
また、地震時の建物への負荷も軽減されるため、耐震性の向上にも貢献します。
【高い断熱性】
ALC内部の微細な気泡が空気層となり、高い断熱効果を発揮します。
夏は外部からの熱の侵入を防ぎ、冬は室内の暖気を逃がしにくいため、冷暖房効率が向上し、光熱費の削減につながります。
【優れた耐火性】
ALCは無機質材料で構成されており、不燃性に優れています。
火災に強く、延焼を防ぐ効果が高いため、防火地域や準防火地域など、防火性能が求められる場所での使用に適しています。
【高い遮音性】
ALC内部の多孔質な構造が音を吸収し、高い遮音効果を発揮します。
外部からの騒音や室内からの音漏れを軽減し、静かで快適な住環境を実現します。
【容易な加工性】
ALCは比較的柔らかく、切断、穴あけ、釘打ちなどの加工が容易です。
これにより、設計の自由度が高まり、複雑な形状の建物や意匠性の高いデザインにも対応できます。
【耐久性】
適切なメンテナンスをおこなう事で、ALCは長期間にわたりその性能を維持することができます。
ただし、吸水性が高いという性質を持つため、表面の塗装による防水対策が非常に重要になります。
ALCの塗装が必要な理由と塗装がもたらす効果
ALCは、そのままでも一定の耐久性を持っていますが、表面が無塗装の状態では、雨水や湿気を吸収しやすく、次のような問題が発生する可能性があります。
吸水による強度低下
水分を吸収することで、ALCの強度が低下し、ひび割れや欠損が生じやすくなります。
凍害
寒冷地では、吸収した水分が凍結・融解を繰り返すことで、ALCが劣化する凍害が発生する可能性があります。
カビや藻の発生
湿気の多い環境では、ALC表面にカビや藻が発生し、美観を損ねるだけでなく、アレルギーの原因となることもあります。
中性化の進行
雨水に含まれる酸性物質や大気中の汚染物質によって、ALCの主成分であるセメントが中性化し、内部の鉄筋を錆びさせる可能性があります。
これらの問題を未然に防ぎ、ALCの性能を長期間維持するために、定期的な塗装が不可欠です。
ALCに塗装を施すことで、次のような効果が期待できます。
防水性の向上
塗膜が水の浸入を防ぎ、ALC内部を保護します。
耐久性の向上
水分や紫外線などの外部からの影響を遮断し、ALCの劣化を抑制します。
美観の維持・向上
様々な色や質感の塗料を選ぶことができ、建物の外観を美しく保ち、意匠性を高めます。
断熱効果の向上(塗料による)
断熱性能を持つ塗料を使用することで、さらに断熱効果を高めることができます。
遮熱効果の向上(塗料による)
遮熱性能を持つ塗料を使用することで、夏場の室温上昇を抑制し、冷房費を節約できます。
防カビ・防藻効果の付与(塗料による)
防カビ・防藻効果のある塗料を使用することで、美観を長期間維持できます。
ALC塗装をおこなう際の重要な注意点
ALCの塗装は、建物の寿命を左右する重要なメンテナンスです。
適切な知識と技術を持っておこなう必要があります。
ここでは、ALC塗装をおこなう際に特に注意すべき点を詳しく解説します。
【事前の現地調査と下地処理】
塗装をおこなう前に、ALCの表面状態を現地調査し、ひび割れ、欠損、汚れ、カビ、藻などの有無を確認することが非常に重要です。
これらの不具合を放置したまま塗装をおこなっても、塗膜の早期剥がれやALCの劣化進行につながる可能性があります。
ひび割れ
ヘアークラックと呼ばれる軽度なひび割れから、構造的な問題につながる可能性のある大きなひび割れまで、様々な種類のひび割れが存在します。
軽度なひび割れは、シーリング材などで補修し、大きなひび割れは、専門会社に相談し、適切な補修をおこなう必要があります。
欠損
ALCの一部が欠けている場合は、補修材を用いて平滑に補修する必要があります。
汚れ、カビ、藻
高圧洗浄などで丁寧に除去します。
特にカビや藻は、再発を防ぐために防カビ・防藻効果のある洗浄剤を使用することが望ましいです。
旧塗膜の剥がれ
旧塗膜が浮いたり剥がれたりしている場合は、下地処理で除去する必要があります。
下地処理は、塗料の密着性を高め、美しい仕上がりと塗膜の耐久性を確保するために非常に重要な工程です。
【適切な塗料の選定】
ALCは吸水性が高いため、防水性の高い塗料を選ぶことが重要です。
また、ALCの材質に適した塗料を使用しないと、塗膜の剥がれや膨れなどの不具合が発生する可能性があります。
塗料の種類は、主に次のものがあります。
シリコン塗料
耐候性、耐久性、コストパフォーマンスに優れており、一般的なALC塗装によく用いられます。
ウレタン塗料
柔軟性があり、軽度なひび割れへの追従性に優れています。
フッ素塗料
耐候性、耐久性が非常に高く、長期的な美観維持に貢献しますが、価格は比較的高めです。
無機塗料
耐候性、耐汚染性、耐火性に優れており、近年注目されています。
塗料を選ぶ際には、建物の立地条件、気候、予算、期待する耐久性などを考慮し、専門会社と相談しながら最適な塗料を選ぶようにしましょう。
また、下塗り材(フィラー、プライマー)も、ALCの材質や塗料の種類に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。
下塗り材は、ALCの吸い込みを抑え、塗料の密着性を高める役割を果たします。
【適切な塗装方法と施工管理】
ALCの塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3工程でおこなわれます。
各工程で適切な塗料を適切な量で塗布し、乾燥時間を守ることが、美しい仕上がりと耐久性を確保するために重要です。
下塗り
ALC表面の吸い込みを抑え、中塗り・上塗り塗料との密着性を高めます。
中塗り
塗膜の厚みを確保し、塗料本来の性能を発揮させます。
上塗り
耐候性、防水性、美観性を向上させる仕上げの工程です。
塗装作業は、気温や湿度などの気象条件に大きく左右されます。
また、施工中は安全確認をおこない、作業者の安全を確保することも重要です。
大規模なALC塗装の場合は、専門会社に依頼することが一般的です。
信頼できる施工会社を選ぶためには、複数の会社から見積もりを取り、実績や評判、保証内容などを比較検討することが大切です。
施工中も、工事の進捗状況や品質を確認することが重要です。
【シーリング材の重要性】
ALCパネルの繋ぎ目部分や、窓枠、ドア枠などの取り合い部分には、シーリング材が充填されています。
シーリング材は、水の浸入を防ぎ、建物の気密性を保つ重要な役割を果たしていますが、紫外線や経年劣化によって劣化しやすいため、定期的な点検と打ち替えが必要です。
塗装をおこなう際には、既存のシーリング材の状態を確認し、ひび割れや剥がれが見られる場合はシーリング材を打ち替える必要があります。
シーリング材の選定も、ALCの材質や塗料との相性を考慮しておこなう事が重要です。
【乾燥時間の厳守】
各塗料には、メーカーが指定する乾燥時間があります。
乾燥時間を守らずに次の工程に進むと、塗膜の剥がれや膨れ、ひび割れなどの原因となることがあります。
天候や気温によって乾燥時間は変動するため、適切な乾燥時間を確保することが重要です。
まとめ
ALCは、軽量性、断熱性、耐火性、遮音性など、多くの優れた特性を持つ建材ですが、吸水性が高いという性質を持つため、適切な塗装による防水対策が非常に重要です。
ALCの塗装をおこなう際には、事前の現地調査と下地処理、適切な塗料の選定、適切な塗装方法と施工管理、シーリング材の点検と打ち替え、そして乾燥時間の厳守が重要な注意点となります。
また、塗装後も定期的な点検と早期の補修など、適切なメンテナンスをおこなう事で、ALC塗装の効果を長期間維持し、建物を長持ちさせることができます。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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