スレート屋根材の特徴と塗装についてお伝えします
2025.05.05 (Mon) 更新
屋根材:スレート屋根材の特徴と塗装について
日本家屋の屋根材として広く普及しているスレート材。
そのシンプルで洗練された意匠性、比較的安価な導入コストから、多くの住宅で採用されています。
しかし、スレート材はその特性上、定期的なメンテナンスが不可欠であり、特に塗装は美観維持だけでなく、建物の寿命を左右する重要な要素となります。
そこで、今回はスレート材について説明していきます。
Contents
スレート材とは?その種類と特徴
スレート材とは、薄い板状に加工された屋根材の総称です。
天然の粘板岩を加工した天然スレートと、セメントや繊維質などを主原料とした化粧スレート(またはセメント瓦)の2種類に大きく分けられます。
【天然スレート】
天然スレートは、数億年もの間、地中で圧力を受け続けた粘板岩を職人が丁寧に割り出して作られます。
その独特な風合いと、年月を経るごとに深みを増す色合いは、他の屋根材にはない魅力を持っています。
耐久性も非常に高く、適切なメンテナンスを行えば100年以上も持つと言われています。
*天然スレートの主な特徴
自然の美しさ
自然素材ならではの質感と色合い。
高い耐久性
適切なメンテナンスで100年以上の寿命。
自然環境に強い
雨、風、雪、紫外線に強い。
*天然スレートの注意点
高価な材料費と施工費
希少な天然素材であり、職人の手作業による施工が必要なため、コストが高い。
重量
他の屋根材に比べて重量があるため、建物への負荷が大きい場合がある。
供給量
産地が限られているため、供給量が不安定な場合がある。
【化粧スレート(セメント瓦)】
現在、日本の住宅で一般的に使用されているスレート材のほとんどが、この化粧スレートです。
セメントに繊維質などを混ぜて薄い板状に成形し、表面に塗装を施したもので、天然スレートに比べて安価で軽量、施工性にも優れています。
デザインやカラーバリエーションも豊富で、様々な住宅スタイルに合わせやすいのが特徴です。
*化粧スレートの主な特徴
比較的安価な材料費と施工費
天然スレートに比べてコストを抑えられる。
軽量
建物への負荷が少ない。
豊富なデザインとカラーバリエーション
様々な住宅スタイルに対応可能。
施工性
比較的容易に施工できる。
*化粧スレートの注意点
耐用年数
天然スレートに比べて耐用年数が短い(一般的に10~15年程度)。
吸水性
セメントを主原料としているため、吸水性が高い。
吸水した水分が凍結融解を繰り返すことでひび割れや剥がれが発生しやすい。
塗装の必要性
表面の塗膜が劣化すると防水性が低下するため、定期的な塗装が必要となる。
割れやすい
薄い板状のため、衝撃に弱い。
化粧スレートの劣化とそのサイン
化粧スレートは、紫外線や雨風といった自然環境の影響を受け、徐々に劣化していきます。
適切な時期にメンテナンスをおこなわないと、雨漏りなどの深刻なトラブルにつながる可能性があります。
次は、化粧スレートの主な劣化サインです。
色褪せ・変色
表面の塗膜が紫外線によって劣化し、色褪せたり変色したりします。
コケ・藻の発生
表面の防水性が低下すると、水分を含みやすくなり、コケや藻が発生しやすくなります。
これらは美観を損ねるだけでなく、スレート材の水分保持力を高め、劣化を促進する原因となります。
ひび割れ・欠け
経年劣化や衝撃によって、スレート材にひび割れや欠けが生じることがあります。
放置すると雨水が浸入し、下地を腐食させる可能性があります。
塗膜の剥がれ
表面の塗膜が剥がれ落ち、スレート材の素地が露出している状態です。
防水性が著しく低下しており、早急な対策が必要です。
反り・歪み
吸水と乾燥を繰り返すうちに、スレート材が反ったり歪んだりすることがあります。
これにより、隙間が生じ、雨水が浸入するリスクが高まります。
これらの劣化サインが見られた場合は、早めに専門会社に点検を依頼し、適切なメンテナンスをおこなう事が重要です。
化粧スレート屋根の塗装の重要性
化粧スレート屋根において、塗装は単に美観を維持するだけでなく、次のような重要な役割を果たします。
防水性の回復・向上
塗膜によってスレート材の表面を覆うことで、水の浸入を防ぎ、雨漏りを予防します。
耐久性の向上
紫外線や雨風などの外部環境からスレート材を保護し、劣化の進行を遅らせます。
美観の維持・向上
新しい塗料で塗り替えることで、屋根の色や質感を蘇らせ、住まいの印象を美しく保ちます。
遮熱・断熱効果の付与
近年では、遮熱性や断熱性を持つ塗料も開発されており、塗装によって室内の温度上昇を抑え、冷暖房費の節約につながる場合があります。
このように、化粧スレート屋根の塗装は、建物を長持ちさせるために非常に重要なメンテナンスなのです。
化粧スレート屋根の塗装時期の目安
一般的に、化粧スレート屋根の塗装時期の目安は、新築後または前回の塗装から7~10年程度と言われています。
ただし、屋根の立地条件(日当たりの良さ、降雨量など)や使用されている塗料の種類によって、劣化の進行具合は異なります。
上記の劣化サインが見られた場合は、年数に関わらず塗装を検討する必要があります。定期的な点検をおこない、屋根の状態を把握することが大切です。
化粧スレート屋根の塗装工程と注意点
化粧スレート屋根の塗装は、いくつかの重要な工程を経ておこなわれます。
各工程を丁寧におおなう事が、美しい仕上がりと長期的な耐久性を実現するために不可欠です。
ここでは、一般的な塗装工程と、各工程における注意点について解説します。
*高圧洗浄
屋根に付着した汚れ(コケ、藻、カビ、排気ガスなど)を高圧の水流で徹底的に洗い流します。
この工程を怠ると、塗料の密着性が悪くなり、早期剥がれの原因となります。
注意点
洗浄不足がないように、隅々まで丁寧に洗い流す。
高圧水流によってスレート材を傷つけないように、適切な水圧とノズルの角度を調整する。
洗浄水が近隣に飛び散らないように配慮する。
*下地処理
ひび割れや欠けなどの損傷がある場合は、補修をおこないます。
また、塗料の密着性を高めるために、下塗り材(シーラーやプライマー)を塗布します。
注意点
ひび割れの幅や深さに応じて、適切な補修材を使用する。
下塗り材は、スレート材の種類や上塗り塗料との適合性を考慮して選定する。
下塗り材が十分に乾燥してから、次の工程に進む。
*縁切り
化粧スレートは、屋根材と屋根材の間にわずかな隙間があり、この隙間から雨水が排出される仕組みになっています。
しかし、塗装によってこの隙間が塗料で塞がれてしまうと、雨水が排出されずに屋根内部に滞留し、雨漏りの原因となることがあります。
そのため、塗装後に塗膜で塞がった隙間を再び確保する「縁切り」という作業が必要です。
注意点
縁切り材(タスペーサーなど)を適切な間隔で挿入するか、カッターなどで塗膜を切断して隙間を作る。
縁切りが不十分だと雨漏りのリスクが高まるため、確実におこなう。
*中塗り・上塗り
選定した塗料を、規定の塗布量と乾燥時間を守って、通常2回塗布します。
中塗りは塗膜の厚みを確保し、耐久性を高める役割があります。
上塗りは、最終的な仕上がりの美しさを決定し、耐候性などの機能性を付与します。
注意点
塗料の種類(シリコン、ウレタン、フッ素など)によって、希釈率や乾燥時間が異なるため、メーカーの仕様を順守する。
天候(雨、強風、高温多湿など)が悪い日の塗装は避ける。
塗りムラがないように、均一に塗布する。
作業者自身の安全確保(滑り止め対策、安全帯の着用など)を徹底する。
塗料の種類と選び方のポイント
化粧スレート屋根の塗装に使用される塗料には、様々な種類があります。
それぞれの特徴や耐用年数、価格帯などを考慮して、最適な塗料を選ぶことが重要です。
アクリル塗料
比較的安価ですが、耐用年数は短め(3~5年程度)です。現在では、耐久性の高い塗料が主流となっているため、あまり使用されません。
ウレタン塗料
比較的安価で、耐候性、耐摩耗性、密着性に優れています。耐用年数は5~8年程度です。
シリコン塗料
耐候性、耐汚染性、耐紫外線性に優れており、コストパフォーマンスが高い人気の塗料です。耐用年数は10~15年程度です。
フッ素塗料
耐候性、耐薬品性、耐熱性に非常に優れており、長期的な美観維持が可能です。高価ですが、耐用年数は15~20年程度と長寿命です。
遮熱塗料・断熱塗料
特殊な顔料や断熱材を含んでおり、太陽光の熱を反射したり、室内の熱を逃がしにくくする効果があります。
省エネ効果が期待できますが、一般の塗料に比べてやや高価です。
塗料選びのポイント
予算
塗料の種類によって価格帯が大きく異なるため、予算に合わせて選ぶ必要があります。
期待する耐用年数
長期的なメンテナンスサイクルを考慮して、適切な耐用年数の塗料を選びましょう。
機能性
遮熱性や断熱性など、付加機能が必要かどうか検討しましょう。
色
周囲の環境や建物の外観との調和を考慮して、好みの色を選びましょう。
施工会社との相談
専門会社に相談し、屋根の状態や希望に合わせて最適な塗料を提案してもらうのがおすすめです。
信頼できる塗装会社の選び方
化粧スレート屋根の塗装は、専門的な知識と技術が必要な工事です。
信頼できる施工会社を選ぶことが、高品質な仕上がりと安心につながります。
業者選びのポイント
実績と経験
スレート屋根の塗装実績が豊富かどうかを確認しましょう。施工事例を見せてもらうのも良いでしょう。
資格・許可
建設業許可や塗装に関する資格(一級塗装技能士など)を持っているか確認しましょう。
見積もり
複数の会社から見積もりを取り、費用だけでなく、工事内容や使用する塗料について詳しく説明を受けましょう。極端に安い見積もりには注意が必要です。
保証制度
アフターフォローや保証制度が充実しているか確認しましょう。
口コミ・評判
インターネットの口コミサイトや評判などを参考に、施工会社の信頼性を確認しましょう。
丁寧な説明
屋根の状態や工事内容、塗料の種類などについて、分かりやすく丁寧に説明してくれる会社を選びましょう。
自社施工
下請け業者に丸投げせず、自社で責任を持って施工してくれる会社の方が安心です。
まとめ
化粧スレート屋根は、定期的なメンテナンスをおこなう事で、その美観と機能を長く維持することができます。
特に塗装は、防水性や耐久性を向上させるための重要なメンテナンスです。
適切な時期に、信頼できる専門会社に依頼し、高品質な塗料で丁寧に塗装をおこなう事が、住まいを長持ちさせるための秘訣と言えるでしょう。
本稿が、皆様のスレート屋根メンテナンスの一助となれば幸いです。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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