塗装工事を成功させるためには下地処理が重要です
2025.06.15 (Sun) 更新
下地処理について
「塗装って、ただペンキを塗るだけでしょ?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、美しい仕上がりと長持ちする塗装を実現するためには、その「塗る前」の準備が何よりも大切なのです。
例えるなら、料理で美味しいものを作るために、新鮮な食材を選ぶのと同じくらい、下地処理は塗装において重要な役割を果たします。
そこで、今回はなぜ下地処理が必要なのかについて説明していきます。
Contents [hide]
- 住宅塗装の隠れた主役「下地処理」とは?
- なぜ下地処理がそんなに重要なの? ~塗装の寿命を左右する理由~
- ・塗料の密着性を高めるため
- ・塗膜の剥がれや膨れを防ぐため
- ・塗料の性能を最大限に引き出すため
- ・見た目の美しさを保つため
- 下地処理の具体的な工程を見てみよう!
- ・高圧洗浄:塗装面の汚れを徹底的に洗い流す
- ・ 既存塗膜の劣化状況確認と処理:浮きや剥がれを徹底除去
- ・ひび割れ(クラック)の補修:建物の健康を守る重要な作業
- ・シーリング(コーキング)の打ち替え・増し打ち:防水性を確保する要
- ・ケレン作業(サビ落とし・目荒らし):金属部分の処理
- ・下地調整材(プライマー・シーラー・フィラー)の塗布:塗装の土台を固める
- 下地処理の良し悪しを見極めるポイント
- ・丁寧な現場調査と適切な提案
- ・見積書に「下地処理」に関する明確な記載があるか
- ・実際の工事における丁寧な作業
- ・適切な乾燥時間を確保しているか
- 津島市・愛西市・あま市での塗装工事、下地処理は地域特性も考慮!
- まとめ:下地処理は「見えないところ」の品質基準
住宅塗装の隠れた主役「下地処理」とは?
住宅塗装における「下地処理」とは、塗料を塗る前に、外壁や屋根などの塗装面を最適な状態に整える一連の作業のことです。
この下地処理を怠ると、どんなに高品質な塗料を使っても、どんなに熟練の職人が塗っても、本来の性能を発揮できず、塗装の剥がれ、膨れ、ひび割れなどのトラブルが早期に発生する原因となります。
下地処理は、いわば「縁の下の力持ち」のような存在です。
普段、目に見えることはありませんが、塗装の寿命や美観を大きく左右する、まさに「塗装工事の品質を決める」と言っても過言ではない重要な工程なのです。
なぜ下地処理がそんなに重要なの? ~塗装の寿命を左右する理由~
「下地処理が重要」と言われても、具体的にどのような理由があるのでしょうか?
主な理由をいくつか見ていきましょう。
・塗料の密着性を高めるため
私たちが普段、何かを貼るときに、きれいに拭いてから貼るのと同じように、塗料も「素地」と呼ばれる塗装面にしっかりと密着する必要があります。
下地処理は、塗装面の汚れや古い塗膜、サビなどを除去し、塗料がしっかりと食い込むための「足がかり」を作ります。
これによって、塗料が剥がれにくくなり、長期間にわたって外壁を守る力を発揮します。
・塗膜の剥がれや膨れを防ぐため
塗装面に残った汚れや油分、水分、劣化した塗膜などは、新しい塗膜が定着するのを妨げます。
これらの異物が残っていると、塗装後に塗膜が浮き上がったり、膨れたり、ひどい場合には剥がれ落ちてしまうことがあります。
下地処理は、こうしたトラブルを未然に防ぎ、健全な塗膜を形成するために不可欠です。
・塗料の性能を最大限に引き出すため
塗料には、防水性、防カビ性、遮熱性など、様々な機能が備わっています。
しかし、下地処理が不十分だと、これらの機能が十分に発揮されません。
例えば、カビやコケが残ったまま塗装すると、塗料の防カビ効果が半減してしまったり、劣化が進んだ下地では、塗料の遮熱効果も思うように発揮されないことがあります。
下地処理は、塗料本来の性能を最大限に引き出し、住宅を長く美しく保つための土台作りとなります。
・見た目の美しさを保つため
塗装工事は、建物の美観を向上させる目的も大きいです。
しかし、下地処理が不十分だと、塗装後に凹凸が目立ったり、色ムラが発生したりして、せっかくの塗装が台無しになってしまいます。
下地処理は、平滑で均一な塗装面を作り出し、美しい仕上がりを実現するために不可欠です。
下地処理の具体的な工程を見てみよう!
それでは、実際に住宅塗装でおこなわれる下地処理の具体的な工程について、順番に見ていきましょう。
現場の状況や建材の種類によって、おこなわれる工程は異なりますが、ここでは一般的な下地処理の工程をご紹介します。
・高圧洗浄:塗装面の汚れを徹底的に洗い流す
住宅塗装における下地処理の最初の工程は、高圧洗浄です。
これは、外壁や屋根に付着した長年の汚れ、カビ、コケ、藻、排気ガス、砂埃などを、高圧の水流で徹底的に洗い流す作業です。
「ただ水をかけるだけ?」と思うかもしれませんが、高圧洗浄は想像以上に強力です。
家庭用の高圧洗浄機とは異なり、プロが使用する業務用の高圧洗浄機は、非常に高い水圧で汚れを根こそぎ除去します。
この工程を丁寧におこなう事で、新しい塗料の密着性を高め、塗装の剥がれを防ぎます。
なぜ高圧洗浄が必要なのか?
古い汚れやカビ、コケなどが残っていると、塗料が密着せず、早期の剥がれの原因となるため。
下地に残った異物は、塗装後の仕上がりに凹凸やムラとして現れるため。
水圧で古い塗膜の一部を剥がし、新しい塗膜が食い込む足がかりを作るため。
高圧洗浄のポイント
汚れの種類や下地の状態に合わせて、水圧を調整する。
カビやコケがひどい場合は、専用の洗浄剤を併用することもある。
洗浄後は、十分に乾燥させる時間を確保する(通常、1日~数日)。
・ 既存塗膜の劣化状況確認と処理:浮きや剥がれを徹底除去
高圧洗浄で汚れを落とした後は、既存の塗膜の状態を詳しく確認します。
ここで重要なのは、浮き上がっている塗膜や、剥がれかかっている塗膜を徹底的に除去することです。
なぜこの工程が必要なのか?
古い塗膜が残っていると、その上から新しい塗料を塗っても、古い塗膜と一緒に剥がれてしまう可能性があるため。
浮いている塗膜の下には湿気が溜まりやすく、カビの発生や下地の腐食を招くことがあるため。
具体的な処理方法
スクレーパーや皮スキなどでのケレン(手作業による剥がし)
浮いている部分や剥がれている部分を職人が手作業で丁寧に剥がしていきます。
電動工具によるケレン
広範囲にわたって劣化が進んでいる場合は、電動工具を使用して効率的に剥がすこともあります。
ワイヤーブラシやサンドペーパーでの目荒らし(足付け)
健全な塗膜でも、表面を少し粗くすることで、新しい塗料の密着性を向上させます。これを「足付け」と呼びます。
・ひび割れ(クラック)の補修:建物の健康を守る重要な作業
外壁には、経年劣化や地震などの影響で、大小様々なひび割れ(クラック)が発生することがあります。
これらのひび割れを放置しておくと、雨水が侵入し、建物の内部構造を腐食させたり、雨漏りの原因となったりする可能性があります。
下地処理では、これらのひび割れを適切に補修します。
なぜひび割れ補修が必要なのか?
雨水の浸入を防ぎ、建物の構造体を保護するため。
ひび割れが残ったまま塗装すると、塗装後もひび割れが浮き上がって見えたり、塗膜が割れてしまったりするため。
将来的な建物の劣化を遅らせるため。
具体的な補修方法
Uカット工法
幅の広いひび割れには、U字型にカッターで溝を掘り、コーキング材(シーリング材)を充填する方法が用いられます。
弾力性のあるコーキング材を使用することで、建物の動きに追従し、再発を防ぎます。
Vカット工法
Uカット工法と同様に、V字型に溝を掘り、コーキング材を充填します。
エポキシ樹脂注入
細かいひび割れには、エポキシ樹脂を注入し、ひび割れを内部から固める方法が用いられます。
微弾性フィラーの塗布
微細なひび割れには、弾力性のある下塗り材である「微弾性フィラー」を厚めに塗布することで、ひび割れを埋め、再発を抑制する効果が期待できます。
・シーリング(コーキング)の打ち替え・増し打ち:防水性を確保する要
外壁のサイディングボードの目地や、窓枠・ドア枠の周囲などには、シーリング(コーキング)材が充填されています。
これは、建物の動きや熱膨張・収縮に対応し、雨水の侵入を防ぐ「防水の要」となる部分です。
シーリング材は、紫外線や雨風に常にさらされているため、数年~10年程度で劣化し、ひび割れや硬化、剥がれなどが発生します。
下地処理の段階で、これらの劣化したシーリング材を適切に処理することが非常に重要です。
なぜシーリング補修が必要なのか?
劣化したシーリング材では、雨水の侵入を防げず、雨漏りや建物の構造体の腐食につながるため。
シーリング材の劣化は、塗装の剥がれの原因にもなるため。
塗装後にシーリング材を補修すると、色合いが変わってしまい、見た目が悪くなるため。
具体的な補修方法
打ち替え
既存のシーリング材を全て撤去し、新しいシーリング材を充填する方法です。
最も確実な補修方法であり、耐久性も高まります。
増し打ち
既存のシーリング材の上に、新しいシーリング材を充填する方法です。
既存のシーリング材の劣化が軽度な場合や、コストを抑えたい場合に選択されることがありますが、打ち替えに比べて耐久性は劣る場合があります。
・ケレン作業(サビ落とし・目荒らし):金属部分の処理
手すりや雨樋、鉄骨階段などの金属部分は、サビが発生しやすい箇所です。
サビを放置したまま塗装すると、塗膜が剥がれやすくなるだけでなく、サビがどんどん進行し、金属自体を腐食させてしまいます。
なぜケレン作業が必要なのか?
サビが残っていると、塗料の密着が悪くなるだけでなく、サビが塗膜を押し上げて剥がれの原因となるため。
サビの進行を防ぎ、金属部分の耐久性を高めるため。
具体的な処理方法
ワイヤーブラシやサンドペーパーでのサビ落とし
職人が手作業で丁寧にサビを除去します。
電動工具でのケレン
広範囲にわたってサビが発生している場合は、電動工具を使用して効率的にサビを落とします。
目荒らし(足付け)
サビを落とした後も、塗料の密着性を高めるために、表面を粗くする「目荒らし」をおこないます。
・下地調整材(プライマー・シーラー・フィラー)の塗布:塗装の土台を固める
ここまでの工程で、塗装面はきれいになり、ひび割れなども補修されました。
しかし、これでいきなり上塗りを塗るわけではありません。
最後に、塗装の土台を固めるための下地調整材を塗布します。
下地調整材には、主に次の3種類があります。
プライマー
主に金属面や、密着性の低い素材に対して塗布され、上塗り塗料との密着性を高める役割があります。また、サビ止め効果を持つプライマーもあります。
シーラー
塗料の吸い込みムラを防ぎ、上塗り塗料の発色を良くする役割があります。
特に、モルタル壁やサイディング壁など、吸水性の高い下地に対して使用されます。下地の強度を向上させる効果もあります。
フィラー
下地の凹凸や微細なひび割れを埋め、平滑な塗装面を作り出す役割があります。
特に、チョーキング現象(触ると白い粉が付着する現象)がひどい場合や、細かいひび割れが多い場合に有効です。
弾力性を持つ「微弾性フィラー」は、建物の動きに追従し、ひび割れの再発を抑制する効果も期待できます。
これらの下地調整材は、下地の種類や劣化状況、使用する上塗り塗料の種類によって使い分けられます。
適切な下地調整材を選定し、丁寧に塗布することで、上塗り塗料の性能を最大限に引き出し、美しい仕上がりと耐久性を実現します。
なぜ下地調整材が必要なのか?
上塗り塗料の密着性を飛躍的に向上させるため。
塗料の吸い込みムラを防ぎ、色ムラのない均一な仕上がりにするため。
下地の強度を向上させ、塗膜の耐久性を高めるため。
細かいひび割れや凹凸を補修し、平滑な塗装面を作り出すため。
下地処理の良し悪しを見極めるポイント
さて、ここまで下地処理の重要性と具体的な工程について解説してきました。
では、実際に塗装業者を選ぶ際や、工事中のチェックポイントとして、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?
・丁寧な現場調査と適切な提案
優良な塗装会社は、契約前に必ず徹底した現場調査をおこないます。
建物の劣化状況を詳細に確認し、その結果に基づいて、どのような下地処理が必要なのか、どのような塗料が適しているのかを具体的に提案してくれます。
チェックポイント
「下地は問題ないから」と、ろくに調査もせずに見積もりを出す会社は要注意。
ひび割れやシーリングの劣化状況、カビやコケの付着具合などを細かくチェックしているか。
口頭だけでなく、写真などを用いて説明してくれるか。
・見積書に「下地処理」に関する明確な記載があるか
見積書には、使用する塗料の種類や数量だけでなく、高圧洗浄、ひび割れ補修、シーリング工事、下地調整材の種類と塗布回数など、下地処理に関する具体的な項目が明記されているかを確認しましょう。
チェックポイント
「一式」などの曖昧な記載ではなく、具体的な工程名が記載されているか。
各工程に費用が明記されているか(相場と比較することで、適正価格か判断できる)。
・実際の工事における丁寧な作業
工事が始まってからも、職人さんが下地処理の工程を丁寧におこなっているか、可能であればご自身の目で確認することも大切です。
チェックポイント
高圧洗浄は、時間をかけて隅々までおこなわれているか。
古い塗膜の剥がし残しがないか。
ひび割れやシーリングの補修が丁寧におこなわれているか。
下地調整材が適切に塗布されているか(ムラがないか、乾燥時間が守られているかなど)。
・適切な乾燥時間を確保しているか
下地処理の各工程では、乾燥時間を適切に確保することが非常に重要です。
特に高圧洗浄後や下地調整材の塗布後は、十分に乾燥させないと、塗膜の剥がれや膨れの原因となります。
チェックポイント
天候に左右されず、無理な工期で進めようとしていないか。
職人さんが「今日は乾燥させます」など、乾燥の重要性を認識しているか。
津島市・愛西市・あま市での塗装工事、下地処理は地域特性も考慮!
津島市、愛西市、あま市は、比較的平坦な地形が多く、温暖な気候ですが、地域によっては湿気がこもりやすい場所もあります。
また、交通量の多い道路沿いであれば、排気ガスによる汚れも付着しやすいでしょう。
これらの地域特性を考慮し、塗装会社は下地処理の方法を提案する必要があります。
湿気の多い場所
カビやコケが発生しやすい傾向にあるため、高圧洗浄をより丁寧におこない、必要であれば防カビ剤入りの下地調整材を提案する会社を選ぶと良いでしょう。
交通量の多い場所
排気ガスによる汚れが付きやすいため、念入りな高圧洗浄や、汚れに強い塗料の提案が期待できます。
冬場の乾燥
冬場は乾燥が進みやすいため、ひび割れの状態なども注意深く確認する必要があります。
地域に根ざした塗装会社であれば、これらの特性を熟知しているはずです。
地元の会社を選ぶ際には、その点も踏まえて相談してみましょう。
まとめ:下地処理は「見えないところ」の品質基準
住宅塗装における「下地処理」は、まさに見えない部分でおこなわれる重要な作業です。
しかし、この「見えないところ」の品質こそが、塗装全体の寿命や美観、そしてお客様の満足度を大きく左右します。
津島市、愛西市、あま市で住宅塗装を検討される際には、塗料の種類や色選びだけでなく、ぜひ「下地処理」にも目を向けてみてください。
丁寧な下地処理をおこなってくれる会社を選ぶことが、ご自宅を長く美しく保つための最も重要なステップとなるでしょう。
納得のいく下地処理で、後悔のない塗装工事を実現しましょう!
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
===================================
最後までお読みいただきありがとうございました。
津島市・あま市・愛西市で外壁塗装・屋根塗装でお悩みの方はお気軽にアートペインズにお問い合わせ下さい。
アートペインズではご相談・お見積もり・現地調査全て無料です!!
※お電話での受付もお待ちしておりますのでお気軽にご連絡ください!!