初めての塗装工事で知っておきたい「乾式目地」とは?
2025.08.24 (Sun) 更新
「乾式目地」について
大切なお住まいの外壁塗装・屋根塗装をご検討中の方にとって、初めての塗装工事は不安なことばかりかもしれません。
「どんな会社に頼めばいいの?」「費用はどれくらいかかるの?」「専門用語が多すぎてわからない…」といったお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。
今回は、塗装工事において非常に重要な要素の一つである「乾式目地」について、説明していきます。
Contents
- なぜ今、「乾式目地」が注目されているのか?
- 外壁の目地の役割とは?なぜ目地が必要なの?
- 従来の「湿式目地(シーリング)」のメリット・デメリット
- ・湿式目地のメリット
- ・湿式目地のデメリット(課題点)
- 乾式目地(ガスケット工法)とは?そのメカニズムと特徴
- ・乾式目地のメカニズム
- ・乾式目地の主な特徴
- 乾式目地(ガスケット工法)のメリット・デメリット
- ・乾式目地のメリット
- ・乾式目地のデメリット
- 津島市・愛西市・あま市で初めての塗装工事!乾式目地は選択肢に入るのか?
- 塗り替え工事で知っておきたい「目地の重要性」と「適切なメンテナンス」
- ・湿式目地のメンテナンスの種類
- ・目地補修の重要性:なぜ塗装と同時がベストなのか?
- 失敗しない塗装会社選びのポイント
- まとめ:初めての塗装工事、安心して任せられる会社選びを!
なぜ今、「乾式目地」が注目されているのか?
外壁の目地と聞くと、シーリングを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、近年、特に窯業系サイディングボードの外壁において、「乾式目地」という工法が注目を集めています。
なぜ乾式目地が注目されているのでしょうか?
その答えは、従来のコーキング目地が抱えていた様々な課題を解決し、より耐久性が高く、メンテナンスの手間も少ない外壁を実現できる可能性を秘めているからです。
まずは、外壁の目地の役割について理解を深めましょう。
外壁の目地の役割とは?なぜ目地が必要なの?
戸建て住宅の多くで使用されている窯業系サイディングボードは、工場で生産された板状の建材を現場で貼り合わせて外壁を構成します。
このサイディングボード同士の継ぎ目や、サッシ周り、換気扇フード周りなどにできる隙間が「目地」です。
この目地には、主に次の2つの重要な役割があります。
防水性の確保
サイディングボードの隙間から雨水が浸入するのを防ぎ、建物の内部への水の侵入を阻止します。
もし目地が適切に処理されていないと、雨漏りの原因となり、建物の構造体を傷めることにも繋がりかねません。
衝撃吸収と建材の保護
建物は、地震や強風、日常の振動などによって常に微細な動きをしています。
また、季節による気温の変化で、サイディングボード自体も膨張・収縮を繰り返しています。
目地は、これらの動きや変形を吸収し、サイディングボード本体にひび割れなどの損傷が発生するのを防ぐクッションの役割を果たします。
この重要な役割を担う目地は、建物の寿命や美観に直結する非常にデリケートな部分であり、適切な処理が求められます。
従来の「湿式目地(シーリング)」のメリット・デメリット
一般的な住宅で多く採用されているのが、「湿式目地」と呼ばれる、シーリング材を充填して目地を形成する工法です。
・湿式目地のメリット
施工が比較的容易
専門的な技術は必要とされますが、乾式目地に比べて施工に特殊な工具や大規模な準備が必要ないため、多くの塗装会社・工務店で対応可能です。
初期費用が抑えられる場合がある
乾式目地に比べて材料費や施工費が比較的安価な場合があります。
多様な場所に対応可能
サイディングボードの目地だけでなく、サッシ周りや入隅・出隅など、様々な形状の隙間に対応しやすいです。
・湿式目地のデメリット(課題点)
しかし、湿式目地にはいくつかのデメリットや課題も存在します。
これが、乾式目地が注目される背景にもなっています。
経年劣化が避けられない
シーリング材は、紫外線や雨風に常に晒されるため、年数の経過とともに硬化、ひび割れ、肉やせ、剥がれなどの劣化が進行します。
定期的なメンテナンスが必要
一般的に5年~10年程度で劣化が見られ、打ち替えなどのメンテナンスが必要になります。
メンテナンスを怠ると、目地の機能が低下し、雨漏りや外壁の損傷に繋がる可能性があります。このメンテナンス費用が定期的に発生します。
汚れやすい
シーリング材の表面は、性質上、ホコリや排気ガスなどの汚れが付着しやすく、カビやコケも発生しやすい傾向があります。
これが外壁全体の美観を損ねる原因となることもあります。
色選びの難しさ
外壁の色に合わせてシーリング材の色を選ぶことができますが、完璧に一致させるのは難しく、目地部分が目立ってしまうこともあります。
また、経年劣化で色が変化することもあります。
プライマーの剥がれ
シーリング材をサイディングボードに密着させるための下地材(プライマー)が、経年で剥がれてしまうことがあります。
これにより、シーリング材とサイディングボードの間に隙間が生じ、そこから雨水が浸入する可能性があります。
窯業系サイディングの伸縮への追従性
窯業系サイディングは温度変化によって伸縮しますが、シーリング材がこの動きに十分追従できず、ひび割れや破断を起こすことがあります。
これらのデメリットは、特にメンテナンスサイクルの短期化や、建物の長期的な維持費用増加に繋がる可能性があります。
乾式目地(ガスケット工法)とは?そのメカニズムと特徴
そこで注目されるのが、「乾式目地」です。
乾式目地とは、従来のコーキング材を使用せず、サイディングボードの目地部分にゴム製のパッキン材(ガスケット)をはめ込むことで、目地の役割を果たす工法です。
別名「ガスケット工法」とも呼ばれます。
・乾式目地のメカニズム
乾式目地は、以下のようなメカニズムで外壁の目地を形成します。
サイディングボードの加工
乾式目地に対応したサイディングボードは、あらかじめ目地部分にガスケットをはめ込むための溝(加工)が施されています。
ガスケットの挿入
現場でサイディングボードを貼り合わせた後、この溝に特殊な形状をしたゴム製のガスケットをはめ込みます。
ガスケットは、その弾力性によって溝にしっかりと密着し、防水性と緩衝性を確保します。
目地材の固定
ガスケットは、その形状とサイディングボードの溝によって固定されるため、特別な接着剤などは必要ありません(一部、補助的に接着剤を使用する場合もあります)。
・乾式目地の主な特徴
コーキング材不使用
最大の特長は、従来の湿式目地で使用されるコーキング材を使用しない点です。
これにより、コーキング材の経年劣化による様々な問題を根本的に解決できます。
工場生産の精度
乾式目地に対応したサイディングボードは、目地部分の加工も工場で精密におこなわれるため、現場での施工品質のバラつきが少ないです。
長期的な耐久性
使用されるガスケットは、耐久性の高いEPDMゴム(エチレンプロピレンゴム)などの素材が多く、紫外線や温度変化に強く、長期的な耐久性が期待できます。
乾式目地(ガスケット工法)のメリット・デメリット
では、乾式目地には具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
・乾式目地のメリット
メンテナンスサイクルの大幅延長
最も大きなメリットは、シーリング材の劣化による打ち替えが不要になることです。
ガスケットは半永久的な耐久性を持つとされており、一度施工すれば、外壁の張り替え時期までメンテナンスフリーで済むケースがほとんどです。
これにより、将来的なメンテナンス費用と手間を大幅に削減できます。
雨漏りリスクの低減
シーリング材のひび割れや剥がれによる雨水の浸入リスクがなくなり、建物の防水性が長期にわたって安定します。
美観の維持
シーリング材のように汚れが付着したり、カビが生えたりすることがほとんどないため、外壁全体の美観を長く保つことができます。
目地部分がスッキリとして見えるのも特徴です。
ひび割れ・剥がれの心配がない
ゴム製のガスケットは弾力性に富んでいるため、サイディングボードの微細な動きや伸縮に柔軟に追従し、ひび割れや剥がれの心配がありません。
環境負荷の低減
シーリング材の廃棄物が発生しないため、環境への負荷を低減することにも繋がります。
工期の短縮(場合による)
シーリングの乾燥期間が不要になるため、トータルで工期が短縮される場合があります。
・乾式目地のデメリット
初期費用が高くなる傾向
乾式目地に対応したサイディングボード自体が高価であることや、施工に特殊な技術や工具が必要な場合があるため、湿式目地に比べて初期費用が高くなる傾向があります。
対応できるサイディングボードの種類が限定される
全ての窯業系サイディングボードが乾式目地に対応しているわけではありません。
乾式目地を採用する場合は、あらかじめ対応しているサイディングボードを選定する必要があります。
施工会社が限られる場合がある
乾式目地の施工実績が豊富な会社が限られている場合があります。
適切な知識と技術を持った会社に依頼することが重要です。
部分補修の難しさ
万が一、目地の一部が破損した場合、部分的な補修が難しい場合があります。
基本的に目地全体、またはサイディングボード単位での交換が必要になる可能性があります。
津島市・愛西市・あま市で初めての塗装工事!乾式目地は選択肢に入るのか?
さて、津島市・愛西市・あま市で初めて塗装工事をご検討の皆様にとって、この乾式目地はどのような選択肢となるのでしょうか?
結論から申し上げますと、新築時や大規模なリフォームで外壁材から選定できる場合は、乾式目地を積極的に検討することをおすすめします。
しかし、既存の住宅で初めての「塗り替え」をお考えの場合、残念ながら乾式目地への変更は基本的にできません。
なぜなら、乾式目地は、目地部分の形状が通常のサイディングボードとは異なり、ガスケットをはめ込むための専用の溝が加工されている必要があるからです。
既存のサイディングボードの目地を乾式目地に「変更」することは、外壁の張り替え工事と同等の大掛かりな工事になり、現実的ではありません。
では、初めての塗り替え工事では、乾式目地について知る必要がないのでしょうか?
塗り替え工事で知っておきたい「目地の重要性」と「適切なメンテナンス」
初めての塗り替え工事で乾式目地そのものを採用することはできなくても、湿式目地の「適切なメンテナンス」について深く理解しておくことは非常に重要です。
あなたの家が現在、湿式目地である場合、塗装工事と同時に目地の補修・打ち替え工事も検討する必要があります。
・湿式目地のメンテナンスの種類
湿式目地のメンテナンスには、主に次の2つの方法があります。
打ち替え工法
既存の劣化したコーキング材を完全に撤去し、新しいコーキング材を充填し直す方法です。最も確実で効果的なメンテナンス方法であり、耐久性も高まります。
増し打ち工法
既存のコーキング材の上に、新しいコーキング材を重ねて充填する方法です。
比較的費用が安く、短時間で施工できますが、既存のコーキング材の状態によっては剥がれやすく、耐久性が劣る場合があります。
・目地補修の重要性:なぜ塗装と同時がベストなのか?
「外壁塗装だけお願いしたいんだけど、目地の補修も必要?」 そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、外壁塗装と目地の補修は、切っても切り離せない関係にあります。
防水性の確保
劣化した目地を放置したまま塗装しても、目地から雨水が浸入すれば、塗装の剥がれやふくれの原因となり、建物の構造にも悪影響を及ぼします。
塗装の前にしっかりと目地の防水性を確保することが不可欠です。
塗料の密着性の向上
ひび割れや剥がれのある目地の上から塗装しても、塗料が均一に密着せず、早期に不具合が発生する可能性があります。
下地である目地を良好な状態にすることで、塗料の性能を最大限に引き出すことができます。
美観の向上
目地が劣化していると、せっかく外壁をきれいに塗装しても、目地部分だけが目立ってしまい、全体的な美観を損ねてしまいます。
塗装と同時に目地もきれいにすることで、外壁全体の統一感と美しさを長く保てます。
足場代の節約
外壁塗装の際には足場を設置しますが、目地の補修を別でおこなうと、再度足場を組む費用が発生してしまいます。
塗装と同時におこなう事で、足場代を一度で済ませることができ、経済的です。
これらの理由から、外壁塗装をお考えの際には、必ず目地の状態を確認し、必要であれば塗装工事と同時に適切な補修をおこなう事を強くお勧めします。
失敗しない塗装会社選びのポイント
乾式目地についてご理解いただけたところで、いよいよ塗装会社選びのポイントです。
特に初めての塗装工事では、信頼できる会社を見つけることが成功の鍵となります。
地域密着型の会社を選ぶ
津島市、愛西市、あま市に拠点があり、地域での実績が豊富な会社は、地域の気候風土や建物の特性を熟知しており、きめ細やかな対応が期待できます。
丁寧な説明と提案があるか
専門用語を多用せず、お客様にも理解できるように、塗料の種類、工法、費用、工期などについて分かりやすく説明してくれる会社を選びましょう。
今回ご説明した「乾式目地」や「湿式目地のメンテナンス」についても、きちんと説明してくれるかどうかも判断材料になります。
複数の見積もりを比較する
1社だけでなく、複数の会社から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。
見積もり書の内訳が明確で、何にどれくらいの費用がかかるのかがきちんと記載されているか確認することが重要です。
施工実績と顧客の評価を確認する
ウェブサイトやSNSなどで、過去の施工事例やお客様の声を確認しましょう。
信頼できる会社は、施工実績を公開し、お客様からの評価も高い傾向にあります。
資格や保証の有無を確認する
塗装技能士などの国家資格を持つ職人が在籍しているか、工事後の保証制度が充実しているかなども確認しましょう。
保証期間や保証内容が明確であることも重要です。
担当者の対応はどうか
相談時の対応が丁寧で、親身になって話を聞いてくれるか、疑問点に的確に答えてくれるかなども大切なポイントです。
まとめ:初めての塗装工事、安心して任せられる会社選びを!
今回は、津島市・愛西市・あま市で初めて塗装工事をお考えの皆様に向けて、「乾式目地」について詳しく解説しました。
乾式目地は、コーキング材を使用しない新しい目地工法で、長期的な耐久性とメンテナンスフリーが大きなメリットです。
既存の住宅の塗り替えでは、乾式目地への変更は基本的にできませんが、湿式目地の適切なメンテナンスが非常に重要です。
外壁塗装と目地の補修はセットで考えることが、建物の長寿命化と美観維持に繋がります。
「うちの目地はどんな状態なんだろう?」「どんな塗料がうちの家に合っているの?」など、少しでも気になることがございましたら、専門家や専門会社に相談してください。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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