なぜ「下塗材」が重要なのか詳しく解説
2025.12.16 (Tue) 更新
下塗材が重要なのかについて

初めての住宅塗装工事をご検討されているお客様にとって、インターネットやチラシには「高耐久のフッ素塗料」「美しいシリコン塗料」といった「上塗り材」の情報があふれています。
確かに色や艶を決める上塗り材は重要ですが、実は、その塗料の性能を100%引き出し、家の耐久年数を決める真の主役は、「下塗り材」なのです。
塗装専門会社として、お伝えしたいことは、下塗りを疎かにした塗装は、数年で必ず後悔に繋がります。
そこで、今回はなぜ、塗装専門会社が下塗りに時間とコストをかけるのかを、詳しく解説していきます。
Contents
下塗り材が持つ4つの「命綱」としての役割:家を長持ちさせる科学

外壁の劣化が進むと、外壁材はまるで砂漠のように水分や塗料を吸い込むようになります。
この劣化した状態のまま上塗り材を塗布することは、「砂の上に立派な建物を建てる」ようなものです。
下塗り材は、この不安定な外壁を下地から完璧に整え、上塗り材の性能が最大限に発揮される「最強の土台」を作り上げるための必須の工程であり、あなたの家を災害や経年劣化から守る「命綱」としての役割を担います。
役割その1:強力な「接着剤」機能(プライマー)
劣化した外壁材の表面には、粉状になった古い塗膜や、細かいひび割れなどが存在します。
上塗り材は、このような不安定な表面には密着しません。
下塗り材の一種であるプライマーは、外壁材の奥深くまで浸透し、硬化することで、外壁材と上塗り材をガッチリと結合させる「超強力な両面テープ」の役割を果たします。
特に、付着力の低い金属部分(トタン、板金)には、錆止め効果も兼ね備えた変性エポキシ樹脂プライマーなど、専用のプライマーが欠かせません。
この密着力が、数年後の塗膜の膨れや剥がれを防ぐ最重要ミッションとなります。
役割その2:「吸い込み止め」と「均一化」機能(シーラー)
窯業系サイディングやモルタル壁は、劣化が進むと塗料を過剰に吸い込んでしまいます。
この現象を「吸い込みムラ」と呼びます。
この吸い込みムラが発生すると、次の深刻な問題が発生します。
上塗り塗料の性能低下
塗料が外壁材に吸われ、塗膜として必要な厚さ(膜厚)が確保できず、塗料が持つ防水性や耐久性が著しく低下します。
仕上がりの色ムラ
吸い込みが多い部分と少ない部分で塗料の定着度が異なり、見た目にムラが発生し、せっかくの美しい色が台無しになります。
下塗り材のシーラーは、外壁材の吸い込みを均一に止め、外壁表面を「均質なキャンバス」に整えます。
これにより、上塗り塗料が必要な膜厚で外壁表面にしっかり定着し、塗料の耐用年数を全うさせることができるのです。
役割その3:「クラック補修」と「下地調整」機能(フィラー)
モルタル壁や築年数が経ったサイディングボードには、微細なひび割れ(ヘアークラック)が多数発生しています。
このひび割れは、雨水の侵入経路となり、家の構造材を腐食させる原因となります。
フィラーと呼ばれる下塗り材は、このひび割れに厚く塗り込むことで、ひび割れを埋める「パテ」のような役割を果たします。
さらに、微弾性を持つため、今後の建物の動きによる小さなひび割れの発生を抑制する効果もあります。
特に雨風が強い津島市、愛西市、あま市の地域では、この防水機能を高める微弾性フィラーの選定が非常に重要となります。
役割その4:「シミ・アク止め」と「色調整」機能
古いモルタルやコンクリート壁、一部のサイディングボードには、内部に含まれるアルカリ成分や汚れが表面に染み出てくる「アク」や「シミ」の問題があります。
これを防ぐのが、遮蔽性に優れたシーラーやプライマーです。
これらの下塗り材は、下地からの有害な成分を抑え込み、上塗り材の美しい色を長期間にわたって保護する役割を担います。
色ムラや変色を防ぐためにも、下塗りの色が上塗りの色に影響を与えないよう、適切な色(通常は白など)のフィラーやシーラーを選定することも、仕上がりの美しさのために不可欠です。
プロの目利き!失敗しない下塗り材の選び方と施工基準
下塗り材の重要性をご理解いただけたかと思います。
しかし、さらに大切なのは、「あなたの家の外壁材と劣化状況に合った下塗り材を選ぶ」というとこえろです。
塗装専門会社がお客様の家で特に重視している3つの判断基準をご紹介します。
基準1:外壁材の種類に合わせた「専門性」
下塗り材は、上塗り材以上に「外壁材の材質」によって変える必要があります。
窯業系サイディング
推奨される下塗材:エポキシ系プライマー、高浸透性シーラー
ポイント:強力な密着力と吸い込み止め
モルタル・コンクリート
推奨される下塗材:微弾性フィラー、弾性系シーラー
ポイント:ひび割れの補修と防水性の強化
金属(トタン・板金)
推奨される下塗材:変性エポキシ樹脂錆止め塗料
ポイント:防錆性能と密着力の確保
ALC
推奨される下塗材:セメント系フィラー、高浸透性シーラー
ポイント:躯体の強化と吸い込みの調整
上記のように、複数の下塗り材を使い分ける知識と手間を惜しまない塗装会社が、信頼できる証拠です。
基準2:劣化レベルに応じた「回数と量」
下塗りは「1回塗りで終了」が基本とされていますが、下地の劣化が激しく、シーラーを塗布してもなお外壁材が吸い込み続ける場合、「下塗り2回塗り」や、「シーラー+フィラーの2層塗り」が必要となります。
見積もりが安い会社は、この必要な2回塗りを省略したり、規定量を薄めて塗るなど、見えない部分で手を抜くことがあります。
優良な塗装会社は、必ず現地調査で吸い込みの状態を判断し、「なぜ2回塗りが必要なのか」を具体的にお伝えし、写真付きの報告書で記録しています。
この「手間」こそが、耐久性を確保する上で最も譲れない部分です。
基準3:上塗り材の「機能性」を活かす組み合わせ
お客様が高機能な遮熱塗料や高耐久の無機塗料の場合は、その性能を最大限に活かすための「専用下塗り材」を選定します。
例:
遮熱塗料を使用する場合、下塗りにも赤外線を反射する機能を持つ「遮熱プライマー」を用いることで、トータルでの遮熱効果を飛躍的に向上させることができます。
まとめ:目立たない「下塗り」こそ、あなたの家の「未来」を決める
外壁塗装工事は、決して安い買い物ではありません。
だからこそ、表面の美しさや色選びだけでなく、「あなたの家を本当に長く守ってくれる土台」に目を向けていただきたいのです。
「うちの壁の劣化は、シーラーで十分?フィラーが必要?」まずは、専門家による正確な診断が必要です。
この記事が、住宅塗装工事を検討されている方の選考になれば幸いです。
いかがでしたか?
ご不明点などございましたらお気軽にご相談ください♡

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最後までお読みいただきありがとうございました。
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